音源借りて歌ってみました。あいみょん。

2022年4月20日

外出自粛が続く中、いつもスマホのカラオケアプリで歌ってる娘も、時間あるから録音やってみようかな・・・と興味を示したので、

歌いたい曲があったら歌ってみる?若い人向けの音源作ってるナイスガイがいるからそこで探してみたらええよ!と、Twitterで知り合った「生音風カラオケ屋」さんを紹介しました(丸投げ😅)

選曲とオケのつかいかた

あいみょんの「真夏の夜の匂いがする」という曲がいい!ドラマの曲やで!音源もカッコいい!・・・ということだったので聴いてみました。(ドラマも知らないし、あいみょんも知らない。ヤバ😱)

Spotifyで原曲を聴いて、生音風カラオケ屋さんの音源を聴いてみました。リズムがかなり上手く表現されてるな~と思いました🎶
普段カラオケ音源に慣れてる歌い手がカッコいい!と思える音源は歌い手のモチベに繋がるので何よりポイント高いです💯

というような経緯で、音源をお借りして録音してみました。

例によってアレコレ試して作ったものは二度と同じことができないので以下に勿忘草を残しておきます📝

音源を借りてオケに使う

私は今回初めてYoutubeの音源をオケに使ったので、他の方がYoutubeの音源をどうやってオケに使っているのか知らないのですが、私はAVCなるソフトウェアを購入して音声をWav形式に変換しました。(この手のソフトの選定は使用するOSのバージョンやそのPCのセキュリティ対策状態などで変わりますのでお勧めはできません。)

ボーカルの場所をつくる

私が音源を作るときは、ボーカルが決まっているので、ボーカルの音域に被る楽器は他の楽器に差し替えるか、替えが効かない場合は2Mix用のオケを作る時に音量を調整するのですが、今回は既に出来上がっているオケをつかうため、まずは音量調節とプラグインでボーカルの場所を作りました。

  1. XLN Audio DS-10 DRUM SHAPER
    一番の目的はCENTERでオケのMIDを下げた時にスネアが薄くなったように聴こえたので補正する為に使いました。
  2. Waves CENTER
    ボーカルの場所を作るために使っています。今回はCENTERを-5dB程度です。
  3. fabfilter Pro-Q3
    ボーカルトラックと比べながらローとハイを補正する為に使っています。
  4. 全体音量
    Youtube上で4dBほどノーマライズが掛かっている音源でしたので、5~7dBほど下げています。
    ↑個人的にYoutube側で掛かるノーマライズは1dB付近に抑えたいため。

ボーカルの録音

マイクはLEWITTのLCT 540Sを使いました。また、今回は掛け録り用コンプレッサーのトランス回路を通すため、プリアンプは出音がクリーンで色付けのないGRACE designのm101を使いました。

ハードウェア

  1. マイクプリアンプ ・・・ GRACE design m101
    今回はマイクのHPF(ハイパスフィルター)は使用せず、m101のHPFをオンにしています。
  2. FETコンプレッサー ・・・ WesAudio Beta76
    「Carnhill社製の入力トランスフォーマー」を通過するVintage Modeでトランスカラーを付けるため、コンプレッション量は-3dBu以下を目安に、バイパス時とオン時の音量差が最小となるようINPUTとOUTPUTを設定しました。
  3. 光学式コンプレッサー ・・・ WARM AUDIO WA-2A
    今回は真空管コンプレッサーを音色を柔らかく倍音成分を綺麗に色付けすることを目的として後段に掛けています。最大-3dBuを目安に設定しました。

WA-2Aのアウトプットゲインはかなり派手に効くので、薄く色を付ける目的で掛け録りをする場合は、FETコンプで音量揃えてからゲイン低めの光学コンプに繋ぐといい感じに聴こえました。

ソフトウェア(プラグイン)

掛け録りでコンプレッサーを2段掛けているのでプラグインは少なくしたかったのですが、原曲と比べるとヴォーカルの線が細くなってしまったのでアレコレ追加しました。

ドライトラック

ウチの定番になりつつある、RX7 De-ess~Cubaseの8バンドEQで調整して、T.マセラッティのヴォーカル向けプラグインで盛ってダイナミックEQで補正後、コンソールシミュレータで少し倍音を加えるパターンですが、今回は最終段にチェンバーリバーブを薄く掛けました。

  1. EQ ・・・Cubase Frequency
  2. コンプレッサー ・・・Waves Maserati VX1
  3. ダイナミックEQ ・・・fabfilter Pro-Q3
  4. リバーブ ・・・Waves Abbey Road Chambers
  5. コンソールシミュレータ ・・・Waves Non Linear Summer

ウェットトラック

こちらもウチの定番になりつつあるディレイ・リバーブです。今までは先にイコライザを入れてウェット化する範囲を決めていましたが、今回はプラグインの後に掛けています。また、今回は原曲のヴォーカルがかなり広く感じたのでピンポンディレイを使っています。左右に振って更に・・・というのも試しましたが面倒になったので最終的にはシンプルにしました。

1.ステレオディレイ

2.プレートリバーブ

3.ピンポンディレイ

ヴォーカルトラックのボリューム

今回のドライトラックのヴォリュームオートメーションです。ヴォーカルトラックはピンク、その下のオートメーションはマセラッティプラグインのFX量、その下がボリュームです。こちらはWavesのVocal Riderでオケをサイドチェインで受けて一旦オートメーションを描かせて基準を決め、手で修正しまくっています。

ヴォーカルトラックのオートメーションはプラス側のみになるよう、ブレス調整を含めオーディオトラックに直接ゲイン処理などをしています。

マスタートラックとミックスダウン

私はCubaseではマスタリングをしていないので、マスタートラックはオケとヴォーカル(ドライ・ウェット)をミックスするだけに使っています。WaveLabが使いやすく、そちらでマスタリングをする方がCubaseより思った通りの結果になる事が多いからです。

マスタートラック

  1. コンソールシミュレータ ・・・Waves Non Linear Summer
  2. マスタリング・チェイン ・・・Waves Abbey Road TG Mastering Chain
  3. リバーブ ・・・PHOENIXVERB

マスタリング

Cubaseでミックスダウンした音源の主にレベル調整はWaveLabで行っています。Youtubeにアップする場合は最終的にYOULEAN LOUDNESS METER2で-12.6LUFS、WabeLabの解析でショートタームラウドネス最大値-10LUFS辺りに合わせてマスタリングをしています。

今回は音量差のあるところがあったので、Youtube側で少しノーマライズが掛かるようにしました。(個人的には1dB辺りが許容範囲です)

完成

今回はコンプの調整を含め、5テイク歌ってもらいました。

ヴォーカルは全て通しです(失敗した時、ここだけ録り直そうか?と聞いたら、メンドクサイから最初から歌う!と言われました🐸)

Youtubeのように誰でも聴ける場所に置くという意味でメロディラインでも入れてピッチやタイミング補正をする・・・というのは正しい作業だと思いますが、ウチではそこには手を入れません。あかんと思ったら歌い直しです。自分が歌えない曲に手を入れるのはかなりの集中力とパワーが必要となり結果「2度とヤラね😤」となり、家中がギスギスするのが見えているので😌

今回はコーラスを録る時間が作れなかったのでCubaseのハーモニーボイス機能でちょっとだけ入れてみましたが、断然ヴォーカルにコーラス歌わせた方が良いと学びました💦(コードトラックを追加しているのはそのためです)

背景は歌った人が探すルールにしましたが、なんか地味な写真を選んできたので、Adobe After Effectsの年間ライセンスを買って突貫工事でオーディオスペクトラムを付けました🎆

動画は、オーディオスペクトラムの為にAfter Effectsでかなり大きい動画を起こし、VEGAS Pro 17 Suiteで字幕を付けてYoutube向けにレンダリングしましたが、うっかり耳コピ字幕を流し込んでしまったので、間違い探しが大変でした・・・(結局5回目のレンダリングでムスメからOKが出ました😭)

最後に

私も機材やプラグインに散財を重ねていますが、これはあくまで自分自身と家族に向けた投資であり、個人的には介護保険の掛け金だと勝手に思っています(その頃にはあんたダレ?って言われそうですが💩)

今回初めて音源を借りて録音をしてみましたが、あらためて、いろいろな人が歌うための音源を作ってYoutubeにアップし、それを継続する為に機材やプラグインを更新し続けるのは大変なことだろうなと思いました。そして誰かに「歌いたい」という前向きな気持ちを起こさせる作品を作り続けるのは本当に立派なことだと思いました。

良い音源と良い時間をありがとうございました🙇